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最終更新日:2025.3.28ゾレアによる新しいスギ花粉症治療法 ― 重症花粉症の方々へ
春になると、多くの人々がスギ花粉症に悩まされます。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状は、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。特に、従来の薬物療法では効果が不十分な重症・最重症のスギ花粉症患者の方にとって、春はつらい季節です。
そんな中、ゾレアという新しい花粉症治療法が注目を集めています。2020年から、重症のスギ花粉症患者に対して、抗IgE抗体「オマリズマブ(ゾレア)」を皮下注射する治療が保険適用されるようになり、より多くの患者様が利用できるようになりました。今回は、ゾレアがどのような治療法で、どのような方々に向いているのか、そしてその効果や治療の流れについて、わかりやすく解説します。
大阪市中央区で重症花粉症治療 ゾレアをお探しなら大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックへ。

ゾレアとは?
ゾレアとは、体内のIgEと結合し、その働きをブロックするお薬です。
花粉症を引き起こす原因は、体内で過剰に生成されるIgE抗体によるアレルギー反応です。
花粉が「IgE抗体」と反応することで鼻や目にアレルギー症状があらわれます。ゾレアはこのIgE抗体の働きを抑えることで、過剰な免疫反応を抑制し、アレルギー症状を軽減します。
この薬は、皮下注射の形で投与され、2週間または4週間毎に皮下注射を行います。これにより、毎日の服用が不要で、効果的に症状を軽減することができます。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックではゾレア注射薬を取り扱っています。
ゾレアの効果
ゾレアは、従来の治療法で十分な効果が得られない重症または最重症のスギ花粉症患者に対して、非常に有効です。従来の治療法では、抗ヒスタミン薬や点鼻薬などの内服薬や免疫療法が広く使われますが、これらでは十分な効果を感じられない方が多くいます。
ゾレアは、アレルギー反応そのものを抑制するため、薬物療法では対処しきれなかった症状を軽減します。特に、以下のような方々に有効です。
- 従来の薬物療法では症状が収まらない方
くしゃみや鼻水、鼻づまりといった症状が薬を使っても改善しない場合、ゾレアはその原因に直接作用し、症状を軽減します。 - 内服薬の副作用に悩んでいる方
抗ヒスタミン薬などの花粉症治療薬は、眠気や倦怠感などの副作用が現れることがあります。ゾレアは、こうした副作用が少ないため、眠気に悩まされることなく花粉症を管理できます。 - 花粉症による日常生活の支障が大きい方
花粉症が重症化すると、仕事や家事、学校生活などに支障をきたし、日常生活が非常に困難になります。ゾレアは、そういった日常的な制限を減らし、生活の質を向上させる可能性があります。
大阪で花粉症治療について詳しく知りたい方、ゾレアをご希望の方は、大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックへご相談ください。
ゾレアの副作用
ゾレアは非常に効果的な治療薬ですが、いくつかの副作用が報告されています。主な副作用には、以下のようなものがあります。
- 注射部位の反応
ゾレアは皮下注射で投与されるため、注射部位に痛み、腫れ、赤みなどが生じることがあります。これらは通常軽度で、数時間から数日内に改善します。 - 頭痛や倦怠感
投与後に頭痛や疲労感が現れることがありますが、通常は一時的なものです。 - アナフィラキシー反応
まれに、アナフィラキシー反応(重篤なアレルギー反応)が起こることがあります。ですが、発生率は非常に低いため、投与後に数十分間の経過観察が行われます。
ゾレアの投与条件
使用基準が細かく設定されており、以下の条件をすべて満たす場合に投与が可能です。
- 重症または最重症の季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)で前スギ花粉シーズンでも重症な症状があった。
- スギ花粉のアレルギー検査(血液検査)の結果が陽性だった。(スギ花粉抗原に対する血清特異的IgE抗体がクラス3以上)
- 季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の既存治療を1週間以上行い、効果不十分であった。
- 12歳以上で、血清中総IgE濃度が30〜1,500IU/mL、体重が20〜150kgの範囲にある。
スギ花粉症の症状が重く、症状がコントロールできずに悩まされている方は大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックが診療いたします。お気軽にご相談ください。
ゾレアの治療スケジュール
通常2月から4月の間に、2週間または4週間毎に皮下注射を行います。投与量、投与間隔は血液検査、体重で決まります。
ゾレアは特定の条件を満たす患者にのみ適用されるため、治療を受ける前には十分な検査と医師の診断が必要です。(投与日を入れて計3回の受診する必要があります。)
- 1回目受診
- ・重症花粉症と診断
- ・血液検査(特異的IgE抗体検査)
- ・既存治療(抗ヒスタミン薬、点鼻薬等)の開始
その後、1週間以上間隔を空けます。
- 2回目受診
- ・スギ花粉症で効果が不十分な場合に再診断
- ・総IgE検査を実施
- 投与量決定
- ・ゾレア投与量と投与間隔が決定されます。
- 初回投与
- ・ゾレア投与後、スギ花粉シーズン中は、2週間または4週間ごとに投与されます。
ゾレアの治療費用
重症のスギ花粉症に対するゾレアの治療は保険適用となっており、大阪市にお住まいの方々にも効果的な治療法です。ゾレアは通常、1回75~600mgを2週間または4週間毎に投与します。ゾレアの投与量・投与間隔は、初回投与前の血清中総IgE濃度および体重に基づき決定されるので、患者ごとに異なります。
4週間ごとの投与の場合、健康保険の3割負担の方は、月々8,744円〜17,488円程度の費用がかかります(場合によっては17,488円以上になることもあります)。ゾレアは高額な治療ですが、大阪市ではこども医療費助成やひとり親家庭医療証、高額療養費制度を利用することで、治療費の負担を大幅に軽減することができます。
治療に関する質問や費用についてご不安な方は、大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックへご相談ください。
まとめ
ゾレアは、従来の薬物療法では効果が得られない重症花粉症患者にとって、非常に有望な治療法です。特に、薬による副作用に悩んでいたり、日常生活に支障が出ている場合、ゾレアは新しい選択肢として有効です。とにかく花粉症症状がつらい方でゾレアのご希望がある方はまずは当院へご相談ください。
この治療は、スギ花粉症によるくしゃみや鼻水、鼻づまりといった鼻炎症状が、飲み薬や点鼻薬でも改善されず、花粉症の症状に1日中悩まされている方に適しています。また、内服薬の副作用として眠気が強く、効果の高い薬に変更したり増量したりできない場合にも、症状を軽減するために検討する価値のある治療法です。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、日本呼吸器学会呼吸器専門医である院長が、丁寧に問診・診察を行っており、花粉症の検査から治療まで行うことが可能です。
つらい花粉症にお悩みの方は、ぜひ当院へご相談ください。
《製薬会社リンク》ゾレアに関する詳細