検査
最終更新日:2025.3.14自宅でできる!睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検査:ウォッチパット300
睡眠時無呼吸症候群は、呼吸が一時的に停止または浅くなり、睡眠の質が著しく低下する病気です。睡眠中の無呼吸やいびきで睡眠の質が低下し、日中の眠気や倦怠感による運転中の事故など、社会生活に様々な影響を与える可能性があります。
この病気を放置すると心臓に大きな負担を与え、冠動脈疾患や心筋梗塞、脳梗塞などの発症につながり、突然死のリスクも高まります。日本では、中等症以上の睡眠時無呼吸症候群の患者数は潜在的なものを含めると900万人程度とも言われています。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合、まずは入院せずに自宅で簡易検査を行います。この検査では、一晩の睡眠を通じて、無呼吸(呼吸が10秒以上停止する状態)や低呼吸(呼吸が浅くなり酸素供給が不十分になる状態)の頻度をもとに診断が行われます。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、この自宅で手軽に睡眠時無呼吸症候群を検査できる機器「ウォッチパット300」を使用した検査を実施しています。

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睡眠時無呼吸症候群(SAS)とは
ウォッチパット300とは?

ウォッチパット300は、フィリップス社が提供する睡眠時無呼吸症候群の検査ができるウェアラブルデバイスです。ウォッチパット300を使うことで、自宅にいながら睡眠の質や呼吸の状態をモニタリングすることができます。鼻カニューレを使用せずに末梢の血流量を測定して無呼吸低呼吸指数(Apnea Hypopnea Index: AHI)を算出できます。
ウォッチパット300の最大の特徴は、簡単に装着でき、睡眠中に自動でデータを収集できることです。寝る前にウォッチパット300を装着し、朝には専用アプリでデータを確認することができます。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、自宅でできる簡易型睡眠時無呼吸測定装置として、ウォッチパット300を用いています。これにより、患者様は自宅で手軽に検査を受けることができ、必要に応じて当院での詳しい診断が可能となります。
ウォッチパット300の使い方
ウォッチパット300は腕時計タイプの本体と指に取り付けるUPAT プローブ、胸部に装着するいびき・体位センサで構成されています。以下の手順で自宅で簡単に睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を行うことができます。

- ウォッチパット300の準備 まず、ウォッチパット300の装置を取り出し、指に取り付けるUPATプローブと胸部に装着するいびき・体位センサを用意します。これらは非常に軽量で、装着してもほとんど違和感がありません。
- 寝る前にセンサーを装着 寝る前にウォッチパット 300を手首に、UPATプローブを指先1本に、センサを胸に装着するだけで測定できます。
- 睡眠中にデータ収集 ウォッチパット300は、睡眠中に血液中の酸素と呼吸の検査を行います。
- 朝にデータを確認 朝起きたら、専用アプリでウォッチパット300のデータを確認します。アプリには、睡眠中の酸素レベルや心拍数、呼吸の状態などの詳細な情報が表示されます。
ウォッチパット300のメリット
ウォッチパット300は、睡眠時無呼吸症候群の簡易検査を自宅で簡単に行うことができるため、多くのメリットがあります。
- 自宅で手軽に検査ができる
ウォッチパット300を使うことで、自宅で簡単にSASの簡易検査ができます。睡眠中に機器を装着するだけで、あとはデータが自動で収集されるため、非常に手軽です。 - 睡眠の質を詳しく把握できる
ウォッチパット300は、酸素飽和度や心拍数だけでなく、睡眠の質や呼吸の状態も分析します。これにより、睡眠時無呼吸症候群の早期発見が可能となります。 - 医師との連携が簡単
ウォッチパット300で得られたデータは、アプリを通じて医師と簡単に共有できます。これにより、迅速に適切な治療が受けられるようになります。 - 費用と時間の節約
病院での検査には時間と費用がかかりますが、ウォッチパット300を使えば自宅で手軽に検査できるため、通院の手間やコストを削減することができます。
こんな方におすすめ
ウォッチパット300は、特に以下のような方におすすめです。
- 睡眠時無呼吸症候群が疑われる方
大きないびきや日中の強い眠気、頭痛などの症状がある方には、ウォッチパット300での検査が効果的です。 - 忙しくて病院に行けない方
病院に行く時間が取れない方にとって、ウォッチパット300は自宅で簡単に検査ができるので非常に便利です。 - 高齢者や慢性的な病気を持つ方
高齢者や心臓病、高血圧などのリスクが高い方にとって、ウォッチパット300は予防的な健康管理にも役立ちます。
当院における睡眠時無呼吸症候群の診療
睡眠時無呼吸症候群(SAS)の疑いがあり、当院を受診する際に受ける検査・診断の流れをご紹介します。

診療の流れ
- 問診
就寝中や日中の気になる症状、仕事・日常生活における支障など睡眠時無呼吸症候群が疑われる症状の有無を確認します。 - 検査
【簡易検査:ウォッチパット300】
問診後に、睡眠時無呼吸症候群の検査が必要な場合は、ご自宅に簡易検査キットをお送りします。 キットが届きましたら、説明書に従ってご自身でセンサーを装着し、検査を行ってください。測定が終了したら、すべての機器を返送用封筒に入れ、返送してください。
返送されたウォッチパットから検査結果の解析を行います。
その後、ご来院いただき検査結果をご説明いたします。
【精密検査:スリーププロファイラー】
簡易検査でより精密な検査が必要と判断した場合に行います。
SAS検査では最も精密な検査方法で、脳波・筋電図・心電図・呼吸・血液中の酸素等、さまざまな生体信号を測定します。 - 治療
SASの治療にはCPAP(シーパップ)治療、マウスピース(口腔内装置)、また、アデノイドや扁桃腺肥大が原因の場合は外科的手術による治療などがあります。
また、合併症のリスクを軽減させるためにも、生活習慣の改善を行うことが重要です。
まとめ
ウォッチパット300は、睡眠時無呼吸症候群の検査を自宅で簡単に行える優れた機器です。ご自宅で手軽にできる検査ですので、より普段の睡眠に近い状態で検査をすることが可能です。ウォッチパット300を使えば、睡眠の質や呼吸の状態をリアルタイムで把握でき、早期の発見と治療が行えます。睡眠時無呼吸症候群は放置しておくと健康に深刻な影響を与えることがあるため、早めに専門医の診断を受け、適切な治療を受けることが重要です。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、日本呼吸器学会呼吸器専門医である院長が、丁寧に問診・診察を行っており、睡眠時無呼吸症候群の検査から治療まで行うことが可能です。
いびき・無呼吸にお困りの方は、お気軽に当院へご相談ください。