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最終更新日:2025.7.18大阪で子宮頸がん予防ワクチンを受けるなら(シルガード9)〜子宮頸がんとHPVワクチンについて知っておきたいこと〜

はじめに ― 子宮頸がんワクチンは“自分の体を守る選択肢”
「子宮頸がん」は、ワクチン接種によって予防できる可能性のある、数少ないがんのひとつです。
このがんは、子宮の入り口付近にある「子宮頸部(しきゅうけいぶ)」に発生し、主な原因は「ヒトパピローマウイルス(HPV)」への感染です。HPVは主に性交渉を通じて感染するウイルスで、200種類以上の「型」が知られています。
HPVの型は、がんとの関連性によって高リスク型と低リスク型に大別されます。感染しても必ずがんになるわけではなく、多くはご自身の免疫によって自然に排除されます。しかし、一部の高リスク型HPVが体内に持続的に感染し続けると、数年から十数年かけて「異形成」と呼ばれる細胞の変化を経て、最終的に子宮頸がんへと進行する場合があります。
このような流れを未然に防ぐ手段として開発されたのが、HPVワクチン「シルガード9」です。
シルガード9は、子宮頸がんの主な原因となる9種類のHPV型に対応しており、従来のワクチンに比べて予防できる範囲がより広く、高い効果が期待されています。特に、子宮頸がんの原因の80〜90%をカバーする型に対応しており、将来的なリスクを大幅に軽減できます。
子宮頸がんの予防には、定期的な検診とともに、ワクチン接種という「将来のリスクを減らす選択」が非常に重要です。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、9価HPVワクチン「シルガード9」の接種を行っています。
また当院では大阪市のHPVワクチン接種(子宮頸がんワクチン/シルガード9)における公費助成の実施医療機関として、接種を受けていただけます。
子宮頸がんワクチン【シルガード9】とは?
「シルガード9」は、HPVの感染を防ぐことで、子宮頸がんの発症リスクを低減するワクチンです。
さらに、外陰がん・腟がん・尖圭コンジローマなど、HPVが関連する他の疾患の予防効果も期待されています。
従来の2価(サーバリックス)や4価(ガーダシル)ワクチンと比べ、シルガード9(9価ワクチン)は、9種類のHPV型に対応しており、より広範囲の予防が可能です。
そのうち7種類(HPV16/18/31/33/45/52/58型)は、子宮頸がんの原因の約80〜90%を占める型であり、より高い予防効果が見込まれます。
当院では、この最新の9価HPVワクチン「シルガード9」の接種を実施しています。
▶ 詳細は厚生労働省のHP(シルガード9について)をご参照ください。
当院での接種について ― 大阪市では定期予防接種が無料です
9価HPVワクチン(シルガード9)は、9歳以上の女性を対象に接種が可能です。
現在、以下の対象者には公費による無料接種が行われています。
公費接種の対象者(2025年7月現在)
- 大阪市に住民登録がある小学6年生~高校1年生相当の女子
- 「キャッチアップ接種」対象:平成9年4月2日〜平成21年4月1日生まれで、令和4年4月1日以降に1回以上接種している女子(接種時に大阪市在住)
※キャッチアップ接種は令和8年3月31日まで
対象外の方でも、自費による任意接種が可能です。
ご希望の方はお気軽に大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックへご相談ください。
当院は、大阪市のHPVワクチン接種(シルガード9)における公費助成対象医療機関です。
安心してご相談・ご予約いただけます。
接種は完全予約制となっております。
※助成制度の詳細については
大阪市公式ホームページ「子宮頸がん予防(HPV)ワクチンの接種について」をご確認ください。
※キャッチアップ接種対象の方は
「ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ」のページもあわせてご参照ください。
接種のスケジュール
初回接種を受ける年齢によって異なり、通常は合計2回または3回接種します。(15歳未満で初回接種を受けた場合は2回接種で完了)。標準的なスケジュールでは6か月で接種完了となります。
15歳以上で接種を開始する場合(3回接種)
- 1回目:初回
- 2回目:初回から2ヶ月後
- 3回目:初回から6ヶ月後
9〜14歳で接種を開始する場合(2回接種)
- 1回目:初回
- 2回目:初回から6~12か月後
スケジュールを守って接種することで、最大限の予防効果が得られます。
詳しくは当院の医師にご相談ください。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、子宮頸がんワクチン(シルガード9)接種のご予約をいつでも受け付けております。事前にWEB予約をお願いいたします。
接種の流れ
当院では以下の流れで接種を行います。
- 予約
WEB予約にてご予約ください。
ワクチン接種を希望される日時の1週間前までにご予約をお済ませください。 - 予診票の準備
定期接種・キャッチアップ接種の場合は、大阪市の予診票を事前に印刷・記入のうえご持参ください。
▶ 予診票ダウンロードはこちら(大阪市公式) - 来院・問診
医師の問診を受けた後、接種を行います。肩への注射となるため、肩が出しやすい服装でお越しください。 - 接種・経過観察
初回接種時は約30分、2回目以降は15分程度、院内で経過観察を行います。
当日の持ち物
接種当日は、以下のものをご持参ください。
- 予診票
- 健康保険証/マイナ保険証
- 母子健康手帳(お持ちの方)
- 医療証(お持ちの方)
- お薬手帳(お持ちの方)
▶ 予診票はこちらからダウンロード(PDF)
①定期接種用
②キャッチアップ接種用予診票
③任意(自費)接種用
費用について
対象者は公費助成により無料で接種可能です。
任意で接種を希望される場合は、以下の費用がかかります。(2025年7月現在)
- シルガード9:1回あたり 39,000円(税込)
- 3回接種総額:117,000円(税込)
公費による無料接種対象者について
大阪市に住民票がある小学校6年生から高校1年生の女性は公費接種のため無料です。
※平成9年4月2日~平成20年4月1日生まれの女性は、「キャッチアップ接種」として無料で接種できます。キャッチアップ接種は2026年3月までです。
ワクチン接種を受ける前に
(1)一般的注意
- 気にかかることや分からないことがあれば、予防接種を受ける前に医師に質問してください。
- 予診票は接種をする医師にとって、予防接種の可否を決める大切な情報です。保護者が責任を持って記入し、正しい情報を接種医に伝えてください。
(2)予防接種を受けることができない方
- 明らかに発熱している方 (通常は37.5℃を超える場合)
- 重篤な急性疾患にかかっていることが明らかな方
- このワクチンの成分に対して過敏症(通常接種後30分以内に出現する呼吸困難や全身性のじんましんなどを伴う重いアレルギー反応を含む)をおこしたことがある方
- その他、かかりつけの医師に予防接種を受けないほうがよいと言われた方
(3)予防接種を受けるに際し、医師とよく相談しなければならない方
- 血小板が少ない方や出血しやすい方
- 心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患、発育障害などの基礎疾患のある方
- 過去に予防接種で接種後2日以内に発熱、全身性発しんなどのアレルギーを疑う症状のみられた方
- 過去にけいれん(ひきつけ)をおこしたことがある方
- 過去に免疫状態の異常を指摘されたことのある方もしくは先天性免疫不全と診断された近親者が
- いる方
- 妊婦あるいは妊娠している可能性のある方(3回の接種期間中を含む)
- 現在、授乳中の方
※子宮頸がんワクチンに関する詳しい情報は、厚生労働省監修の「子宮頸がん予防情報サイト」をご覧ください。ご来院前に一度ご確認いただくことをおすすめします。
未成年者のワクチン接種について
未成年の方で子宮頸がんワクチン(シルガード9)の接種を希望される場合、年齢によって保護者の方の同伴や同意書の提出が必要です。※13~15歳のお子さまが予防接種を受ける際に、保護者の方が当日ご同伴いただけない場合は、予診票の「保護者自署」欄に署名がないと接種を受けることができません。必ず事前にご記入いただきますようお願いいたします。
保護者の同伴 | 保護者の同意 | 署名欄 | |
12歳以下 | 必須 | 必須 | 保護者氏名を記載 |
13歳以上15歳の方 | 同意書があれば不要 | 必須 | 保護者氏名を記載 |
16歳以上 | 不要 | 不要 | 本人の氏名を記載 |
副反応と安全性について
HPVワクチンは世界的に広く使用されており、安全性は高く評価されています。
ただし、他のワクチン同様、副反応が起こる可能性があります。
接種後に異常が見られた場合は、すぐに当院へご連絡ください。
主な副反応
- 接種部位の腫れや痛み
- 発熱、頭痛、倦怠感
特に接種直後の体調変化に備え、当院では接種後30分程度の待機時間を設け、安全に対応できる体制を整えています。
稀に報告される重い副反応
- アナフィラキシー様症状(ショック症状、じんましん、呼吸困難など)
- ギラン・バレー症候群
- 血小板減少性紫斑病(紫斑、鼻出血、口腔粘膜の出血等)
- 急性散在性脳脊髄炎(ADEM)
厚生労働省や世界保健機関(WHO)でもHPVワクチンの安全性は高く評価されており、重篤な副反応の報告はごくまれです。
子宮頸がんワクチン(シルガード9)について不安な点があれば、大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックがサポートいたします。
子宮頸がん検診について
20歳を過ぎたら受けよう!子宮頸がん検診のすすめ
HPVワクチン(シルガード®9)は、子宮頸がんの原因となるウイルスの感染を防ぐ効果が期待できますが、ワクチンだけで100%予防できるわけではありません。
子宮頸がんは初期にはほとんど症状がないため、20歳を過ぎたら定期的な検診を受けることがとても大切です。ワクチンと検診を組み合わせることで、より確実な予防と早期発見につながります。
おわりに
子宮頸がんは、ワクチン接種および定期的な検診によって予防・早期発見が可能ながんです。
なかでも9価HPVワクチン「シルガード9」は、幅広いウイルス型に対応し、高い予防効果が認められています。
将来の健康を守るためには、正確な情報に基づいた適切な予防対策が重要です。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、最新の9価HPVワクチン「シルガード9」を安全かつ安心して接種いただける環境をご用意しております。
ご不安な点やご質問がございましたら、どうぞ遠慮なく当院までご相談ください。
子宮頸がん予防接種は完全予約制です。WEB予約をお取りください。予約の状況により、希望日にご予約いただけない場合もあります。あらかじめご了承ください。