長引く咳や痰、気管支炎かも?気管支炎の種類や症状・予防法について - 大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニック

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最終更新日:2025.3.27

長引く咳や痰、気管支炎かも?気管支炎の種類や症状・予防法について

風邪やインフルエンザをきっかけに、咳が長引くことはありませんか?咳がひどくなると、
「これはただの風邪なのか、何か別の病気なのか」と心配になることもあるかもしれません。
そんな時に疑われる病気の一つが「気管支炎」です。

気管支炎は呼吸器系の病気として非常に一般的ですが、その症状や予防方法については意外と知られていないこともあります。気管支炎を早期に発見し、適切に対処するためには、まずその兆候に気づくことが大切です。気管支炎がどのような病気なのか、原因や症状などについてご紹介いたします。

こんな症状ありませんか?

  • 咳が長引く
  • 呼吸時に「ゼーゼー」と音がする
  • 階段の上り下りでも息切れを起こしやすい
  • 咳と一緒に痰が出る
  • 呼吸がしづらいため寝付きが悪い
  • 胸が痛いまたは圧迫感がある
  • 呼吸が浅い、または速い

これらの症状のうち、1つでも当てはまれば気管支炎の可能性があります。
大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、気管支炎の診療を行っております。長引く咳や痰でお困りの方は、ぜひご相談ください。

気管支炎とは?

気管支炎とは、何らかの要因で気管支(気道)の内壁が炎症を起こす病気の総称です。気管支は、気管から肺に空気を送るための管のことを指し、呼吸に大きく関わっています。この気管支に炎症が生じると、咳や痰(たん)などの症状が現れ、呼吸がしづらくなることがあります。

気管支炎には、急性慢性の2種類があり、それぞれ原因や治療法が異なります。
数日~数週間で症状が治まるものは「急性気管支炎」、数か月~年単位で続くものは「慢性気管支炎」と呼ばれています。

急性気管支

急性気管支炎は、気管支に急激に炎症が起こる病気で、主にウイルス感染が原因です。風邪やインフルエンザが引き金となり、数日から数週間程度で回復することが一般的です。急性気管支炎は、特に寒い季節に多く見られますが、感染症が広がることで一年中発症する可能性があります。

急性気管支炎では、最初に乾いた咳が続き、その後、痰が絡んだ咳に変わることがあります。治療法としては、主に症状を和らげる薬物療法が行われます。しかし、風邪やインフルエンザをきっかけに引き起こされるため、他の感染症に感染しやすくなることもあります。

急性気管支炎の原因

急性気管支炎の主な原因は、ウイルス感染です。風邪やインフルエンザを引き起こすウイルスは気管支に感染し、炎症を引き起こします。ウイルスが原因の場合、抗生物質は効果がないため、症状を緩和することに重点を置いた治療が行われます。

  1. ウイルス性感染
    急性気管支炎の多くは、風邪やインフルエンザを引き起こすウイルス(ライノウイルスやインフルエンザウイルス)が原因です。
  2. 細菌感染
    ウイルス感染が進行したり、治った後に細菌が二次感染を引き起こすことがあります。細菌性の場合には、抗生物質が必要です。
  3. 環境要因
    大気汚染や化学物質が多い環境も、気管支に刺激を与え、急性気管支炎を引き起こす原因となります。

急性気管支炎の症状

急性気管支炎の症状は風邪と似ており、以下のようなものがあります。


  1. 最初は乾いた咳が続き、後に痰が絡む咳に変わることが多いです。
  2. 痰の増加
    気管支に炎症が起こると、痰が増えます。痰の色や量は、感染の進行具合によって異なります。
  3. 発熱
    軽い発熱が見られることがあります。体温は通常38度前後で、風邪と似た症状です。
  4. 息切れや呼吸困難
    咳や痰が絡むことで、呼吸がしにくくなることがあります。
  5. 全身の倦怠感
    倦怠感や体のだるさを感じることが多く、風邪の症状と似ています。

急性気管支炎の診断

急性気管支炎の診断は、主に症状と病歴を元に行われます。咳や痰の状態、発熱の有無を確認し、必要に応じて検査を行います。主な検査方法は以下の通りです。

  • 身体検査:胸部の聴診を行い、喘鳴や異常音がないか確認します。
  • レントゲン検査:肺炎などの合併症がないか確認するために、胸部X線を撮影することがあります。
  • 血液検査:感染症の兆候を確認するために、白血球数などをチェックします。

急性気管支炎がウイルス性である場合、特別な治療は不要ですが、症状が重くなる前に早期に診断を受けることが大切です。

慢性気管支炎

慢性気管支炎は、長期間にわたって気管支が炎症を起こす病気で、最も一般的な原因は喫煙です。
慢性気管支炎は、急性気管支炎とは異なり、症状が数ヶ月以上続くことが特徴です。
慢性気管支炎が進行すると、呼吸困難を引き起こす慢性閉塞性肺疾患(COPD)に繋がることもあります。

慢性気管支炎は、特に喫煙者や長期間有害物質に曝露されている人々に多く見られます。
また、大気汚染や職業的な粉塵、煙にさらされていることも原因となることがあります。

慢性気管支炎の原因

慢性気管支炎の主な原因は以下の通りです。

  1. 喫煙
    慢性気管支炎の最も一般的な原因です。タバコの煙は気管支に炎症を引き起こし、慢性気管支炎を引き起こすことがあります。
  2. 大気汚染
    空気中の有害物質や化学物質が長期間気道に影響を与え、炎症を引き起こします。
  3. 職業的な要因
    工場や建設現場などで粉塵や煙に長時間曝露されることが原因となることがあります。

慢性気管支炎の症状

慢性気管支炎の症状は、急性気管支炎に比べて長期間続くことが特徴です。主な症状には以下のようなものがあります。

  1. 慢性的な咳と痰
    少なくとも3ヶ月以上続く咳と痰が特徴です。特に朝に痰が増えることがあります。
  2. 息切れ
    活動をしていないときでも息切れを感じることがあります。
  3. 喘鳴(ぜんめい)
    呼吸時に笛のような音がすることがあり、気道が狭くなっている証拠です。
  4. 疲れやすさ
    長期間にわたる呼吸器の負担により、日常的に疲れやすさを感じることがあります。

慢性気管支炎の診断

慢性気管支炎の診断は、病歴や症状の評価、検査結果をもとに行われます。主な診断方法は以下の通りです。

  • 肺機能検査(スパイロメトリー):気道の閉塞具合を調べ、呼吸機能を測定します。
  • 胸部X線検査:肺の状態や他の疾患がないかを確認します。
  • 痰の検査:痰に含まれる細菌やウイルスの検査を行うことがあります。

慢性気管支炎は進行性の病気であるため、早期の診断と治療が重要です。

気管支炎の予防

気管支炎を予防するためには、日常生活で気をつけるべきことがいくつかあります。予防策を実践することで、気管支炎の発症や再発を防ぐことができます。

  • 手洗い・うがいの徹底:風邪やインフルエンザなどのウイルスが気管支炎の原因になることが多いため、外出後や食事前には必ず手洗い・うがいを行いましょう。
  • 喫煙を避ける:喫煙は気管支炎を引き起こす大きな要因となります。特に慢性気管支炎の場合は、喫煙をやめることが症状改善の鍵となります。
  • 空気の乾燥を避ける:乾燥した空気は気管支に負担をかけ、咳を悪化させることがあります。湿度を保つために加湿器を使用するのも効果的です。
  • バランスの取れた食事と十分な睡眠:免疫力を高めるために、栄養バランスの取れた食事を心がけ、十分な睡眠を取ることが重要です。
  • 風邪やインフルエンザの予防接種:特に免疫力が低い高齢者や基礎疾患がある人は、風邪やインフルエンザの予防接種を受けることで、気管支炎を予防することができます。

気管支炎はうつるのか

気管支炎がうつるかどうかは原因によって異なります。慢性気管支炎は感染しませんが、感染が原因となっている急性気管支炎はうつる可能性があります。特に病気の初期は病原体が多いため、咳やくしゃみを通じて飛沫感染することもあります。対策として、マスクを着用するなどの注意が必要です。

気管支炎かもと思ったら

気管支炎は風邪のような症状が出ることも多いため、自己判断で放置してしまうことがよくあります。しかし、長引く咳や息苦しさ、痰がひどくなるなどの症状が見られる場合は、早めに医師に相談することが大切です。特に、高齢者や免疫力が低い方は、気管支炎が悪化して肺炎などの重篤な病気に繋がることもあります。

まとめ

気管支炎は、急性と慢性の2種類に分かれ、それぞれに特徴的な症状や原因があります。
急性気管支炎は、風邪やインフルエンザに伴う短期間の症状が特徴で、
適切な治療を受けることで回復が早まります。
慢性気管支炎は、長期間続く症状が特徴で、特に喫煙が原因となることが多いため、
禁煙が最も重要な治療法となります。

大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニックでは、日本呼吸器学会呼吸器専門医である院長が、
丁寧に問診・診察を行っております。
患者さんの状態に応じて最適な診療を行い、気管支炎に関するあらゆるサポートを提供しています。
気になる症状のある方は是非ご来院ください。

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