気管支喘息|大阪心斎橋呼吸器内科・内科クリニック

気管支喘息

Asthma
診療案内

bronchial asthma

気管支喘息とは

気管支喘息とは

気管支喘息は、気道が慢性的に炎症を起こし、空気の流れが妨げられる疾患です。健康な人では特に影響を受けない刺激、例えばホコリやタバコの煙、ストレスなどにより発作を誘発します。この炎症は慢性的なものですが、急性期には気道の収縮や粘液分泌が増加して呼吸が困難になることがあります。
特に夜間や早朝に症状が現れる傾向が強く、眠りが妨げられる場合もあります。発作時には気道が急激に狭まり、呼吸が苦しくなることがあります。この症状は、季節の変化や運動、さらには感染症がトリガーとなることがあるため、日常生活でも注意が必要です。

気管支喘息の原因

気管支喘息の原因には、アレルギーや大気汚染、ウイルス感染症、運動やストレス、喫煙などがあります。日本では、子どもの5~7%、大人の3~5%が喘息にかかっているといわれています。
こどもの喘息の場合は、アレルギーが原因であることが多く、特定のアレルゲンが原因となり発症するケースがほとんどです。大人の喘息の場合は非アトピー型が比較的多い傾向です。

気管支喘息の症状

これらの症状ががあると、気管支喘息の可能性があります。

  • 咳、痰、息切れ
  • ヒューヒューやゼーゼーという喘鳴音
  • 呼吸困難
  • 発作性の激しい咳、痰(夜間、運動後に多い)
  • 胸の痛みや圧迫感、さらには動悸など

cause

気管支喘息に関わる4つの要因

アレルギーと喘息の関係

気管支喘息の主な原因の一つとしてアレルギーが挙げられます。ダニやハウスダスト、ペットのフケ、カビなどのアレルギー物質は、気道に炎症を引き起こし、慢性的な症状や発作を誘発します。
特に、アトピー体質の人においては、アレルギー反応が過剰に働くことで、喘鳴や咳、息切れといった気管支喘息の典型的な症状に繋がりやすいです。また、血液検査でアレルギー抗体(IgE)の値を確認することで、アレルギー性喘息の診断や治療方針の決定がより正確になります。

  • ダニ
  • ハウスダスト
  • 花粉
  • ペット
  • 食べ物

環境因子:大気汚染や生活環境の影響

大気汚染や生活環境も気管支喘息の発症や悪化に大きく影響します。特に、PM2.5や排気ガス、たばこの煙などの大気汚染物質は、気道を刺激し炎症を悪化させる要因となります。
また、室内環境では、ハウスダストやカビが喘息症状を引き起こす原因となりやすく、定期的な換気や掃除が重要です。さらに、都市部では大気汚染やストレスなど複合的な要因により喘息症状が誘発されやすく、郊外や自然豊かな地域では喘息発作のリスクが低いという報告もあります。
このような環境因子を改善することは、気管支喘息患者の生活の質を向上させる上で不可欠です。

  • 環境汚染
  • たばこ
  • 香水
  • 運動
  • 天候・気温の変化(台風、急激な気温低下)

遺伝要因と家族歴

気管支喘息は遺伝的要因も関与しており、家族に喘息やアレルギー疾患を持つ人がいる場合、発症リスクが高まるとされています。特に、両親のいずれかが喘息である場合、その子どもが喘息を発症する可能性は大幅に上昇します。
ただし、遺伝による要因は必ずしも発症を意味するわけではなく、環境要因やライフスタイルが発症に影響を与えるケースも多いです。そのため、家族歴や遺伝的なリスクを考慮しつつ、早期の診断や治療、予防対策を講じることが重要です。

心理的要因:ストレスや精神の関わり

ストレスや心理的要因も、気管支喘息の発症や悪化に関連するとされています。緊張やストレスが続くと自律神経が乱れ、気道の過敏性が高まることがあります。特に精神的な負担が大きい状況下では、喘息発作が頻発することも少なくありません。
また、睡眠障害や不安症などの併存症が喘息症状を悪化させるケースもあります。こうした心理的要因に対処するために、ストレスマネジメントやリラクゼーション法を取り入れた治療が効果的です。医師は患者の精神的なケアも含めた包括的な治療方針を立てることが求められます。

severity

気管支喘息の重症度

喘息の重症度は、症状の頻度・強度、夜間の症状の現れ方などによって、以下の表のように4つに分類されます。

【軽症】間欠型【軽症】持続型【中等症】持続型【重症】持続型
強度軽度な症状で、短い月1回以上
日常生活や睡眠が妨げられる
週1回以上
日常生活や睡眠が妨げられる
生活に制限がかかってしまう
夜間の症状2回未満/月2回以上/月週1回以上しばしば

type

気管支喘息になる原因は2タイプに分けられる

アトピー型喘息

アトピー型喘息

ダニ、埃、カビ(真菌)、ペットの毛といったハウスダスト、花粉、その他植物性アレルゲン、接触性アレルゲンなどを原因とします。
「アトピー」というと「アトピー性皮膚炎」を思い浮かべるかもしれませんが、「アトピー型喘息」は、アレルギー反応が気道で起こるアレルギー性疾患です。
小児患者の70~90%、成人患者の30%ほどが該当します。

アレルゲンの種類

吸入性アレルゲンダニの死骸・フン、カビ、ヒトや動物の毛、花粉、ホコリなど
植物性アレルゲン小麦粉、卵、そば、牛乳など
接触性アレルゲン塗料・建材の化学物質、衣服、化粧品など
非アトピー性喘息

非アトピー性喘息

ウイルスの感染、気候の変化、過労、ストレス、肥満、運動、タバコの煙、大気汚染、食品添加物、薬剤などを原因とします。
特に多いのが、風邪やインフルエンザといったウイルス感染によって起こる病気をきっかけとして咳が止まらなくなり、喘息に至るケースです。また、非アトピー性喘息の発症と肥満に深い関わりがあることが指摘されています。

子どもの喘息・大人の喘息は何が違う?

小児喘息
  • アトピー性が多い
  • 2~3歳で60~70%、~6歳で80%が発症
  • アトピー性皮膚炎、他アレルギー疾患と併発する場合が多い
  • 痰が多くなりがち
  • 喘鳴が起きやすい
  • 肺の成長とともに症状が落ち着き寛解に至る
成人喘息
  • 非アトピー性が多い
  • 過労やストレスで体が弱った時に風邪などがきっかけで発症する
  • 40歳以降に初めて発症することが多い
  • タバコ、アルコール、ストレスなどから慢性化・重症化しやすい
  • 女性の場合、生理中に症状が悪化することがある

check up

気管支喘息の検査と診断

気管支喘息の検査

気管支喘息の診断には、問診、診察のほかに、呼吸機能検査、血液検査、喀痰検査などがあります。

  • 呼吸機能検査(スパイロ)
    気道がどのくらい狭くなっているのかを数値やグラフで表します。1秒率が70%以下の場合、喘息が疑われます。
  • 血液検査
    特定のアレルゲンが関与していると疑われる場合は、アレルゲンの特定をするために血液検査を行います。
  • 喀痰検査
    痰の顕微鏡検査を行い、喘息の患者様に特徴的な好酸球や気管支の上皮細胞の数を調べます。
  • 呼気一酸化窒素(呼気NO)検査
    吐いた息の中の一酸化窒素(NO)濃度を測定し、気道が炎症を起こしているかを調べます。
  • 胸部レントゲン検査
    他の疾患を鑑別する意味で、胸部レントゲン検査を行います。

気管支喘息の診断基準

喘息の診断の目安は、おおよそ次のようなものがあります。問診や検査結果をもとに、喘息の確定診断を行います。

  • 発作性の呼吸困難、喘鳴(ぜんめい)、胸の苦しさ、咳(特に夜間や早朝に多く咳が出る)などを繰り返す
  • 可逆性(薬の投与などのきっかけで元に戻ること)の気流制限がある
  • 気道過敏症の亢進
  • アトピー素因(アレルギー反応を起こす要因)がある
  • 気道炎症がある

Treatment

気管支喘息の治療

咳喘息とは

ぜんそく治療に使われる薬は大きく分けて「長期管理薬(コントローラー)」と「発作治療薬(リリーバー)」に分けられます。治療の基本は、気道の炎症を抑える「長期管理薬」を毎日継続することです。発作が起きた場合は、発作治療薬(リリーバー)を一時的に使用します。
喘息を根本から治す薬はありませんが、治療を続けることで発作が起こらない状態を長期間続けることができます。

吸入ステロイド薬の使用

吸入ステロイド薬は、気管支喘息治療において基本となる長期管理薬です。この薬剤は主に気道の炎症を鎮める役割を果たし、自覚症状の改善だけでなく、喘息の悪化や発作の予防に重要です。使用を継続することで、ぜん息患者の死亡率や入院率を大幅に減少させた実績があります。また、吸入形式であるため、全身への副作用が少なく、長期使用に適しているのも大きな利点です。使い始めてすぐに症状はおさまりますが、気道の中の炎症は続いています。症状が改善しても治療を中止せず、医師の指示に従いながら正しく使用を続けることが大切です。

気管支拡張薬

気管支拡張薬は、気道を広げて呼吸を楽にする役割を持つ治療薬です。主に長時間作用性β2刺激薬や長時間作用性抗コリン薬が含まれ、これらは特に長期管理薬として使用されます。一方、短時間作用型ベータ作動薬は発作時に即効性を発揮し、急性症状の緩和に役立ちます。これらの薬剤は単独で使われることもありますが、吸入ステロイド薬と併用することで効果を高め、日常生活でのぜん息症状の安定化を図ることが可能です。

配合剤

近年では、吸入ステロイド薬と長時間作用性β2刺激薬を一つの装置に組み合わせた配合剤が多数登場しています。この配合剤は複数の効果をまとめて得られるため、治療の利便性が向上し、患者が薬の使用を継続しやすくなるというメリットがあります。また、一度の吸入で必要な薬剤効果を得られるため、複数の吸入器を使う煩わしさが軽減され、ぜん息治療の負担が軽減される点が大きな特徴です。

生物学的製剤

近年、喘息治療に生物学的製剤が導入され、特に中等度から重症の喘息患者に有効性が期待されています。これらの製剤は、喘息の原因となる特定の免疫因子を標的にして作用し、抗体の働きで気道の炎症を抑制します。
高用量のステロイド薬や複数の薬剤を使うなど高いレベルの治療を施しても、症状が安定しない患者さんを対象に使用します。
気管支喘息の生物学的製剤には、ゾレア、ヌーカラ、ファセンラ、デュピクセント、テゼスパイアなどがあります。アレルギーの原因物質を分子レベルで狙い撃ちして、喘息の症状を改善する効果があります。

新たな治療技術への期待

気管支喘息の治療は急速に進化しており、新しい治療技術の開発に期待が高まっています。例えば、気管支サーモプラスティという治療法は、気道の平滑筋を熱で縮小させ、発作を引き起こしにくくする方法として注目されています。この治療法は、従来の薬物治療では改善が見られない重症喘息患者に効果を発揮しています。
また、AIを活用した診断技術や個別化医療も進展しており、患者一人ひとりに合った治療が実現する見込みです。こうした新しいアプローチにより、気管支喘息の完治に向けた道がさらに広がることが期待されています。

生活改善による予防と緩和

気管支喘息の治療では、薬物療法に加え、生活改善が非常に重要です。発作を引き起こす原因となるアレルゲンや刺激因子を避けることが基本です。具体的には、室内のハウスダストやペットの毛を減らす、禁煙する、適度な運動を行いストレスを軽減するなどの対策が推奨されています。また、規則正しい生活とバランスの取れた食事は免疫力の向上に寄与し、喘息の症状を緩和する助けとなります。生活環境の改善は予防と治療の両面で重要です。

pagetop